研修会情報
(研修会報告)
テーマ 『がんの在宅緩和ケア〜安心して家で過ごすために〜』
講師 広島県緩和ケア支援センター長 本家 好文 氏
日時 平成18年6月29日(木)13:30〜15:30
場所 アステールプラザ2階「中ホール」
参加人数 230 名
  平成18年6月29日(木)に広島市域居宅介護支援事業者協議会平成18年度総会とともに『第1回居宅介護支援事業者研修会』が開催されました。テーマは「がんの在宅緩和ケア」〜安心して家で過ごすために〜でした。以下研修会の概要と私の感想を報告したいと思います。
 広島市域居宅介護支援事業者協議会の落久保裕之会長の開会挨拶から始まりました。落久保会長からは『より自立した生活を在宅でする』ことを地域で支えるために、(1)予防給付において地域包括支援センター、居宅介護支援事業者、サービス提供事業者が連携していくこと、(2)家族、医師,サービス提供者、インフォーマルサービスなどとともに地域で支えていくこと、この2点が不可欠であり、18年度も介護支援事業者研修会や各区での自主研修会などを開催し、介護支援専門員の質の向上を図りたいと話されました。
 次に広島県緩和ケア支援センター長、県立広島病院緩和ケア科部長の本家好文先生から『緩和ケアとは何か』についての講演がありました。緩和ケアの提供方法には次にあげる4つがあるそうです。(1)緩和ケア病棟(2)在宅緩和ケア(3)緩和ケアチーム(一般病院)(4)療養通所介護(デイホスピス)。広島県の緩和ケア病棟は平成18年5月現在10施設158床あります。
 本家先生は15年間癌を治すこと目的として治療されて来られ、ある時それは結果的に過剰な医療行為になっているのではないかと気づき「自分の父親だったらどうなのだろうか」という疑問を抱かれたそうです。
 その後先生は、『尊厳あるその人らしい生活をしていくにはどうしたらいいか。本人はどのように生きていきたいのか』ということを本人、家族とともに共感し、『緩和ケア(ホスピス)の理念』に基づいて『安心して暮らせる広島』を目標に活躍しておられます。最後に、さまざまな困難を真正面からとらえられ、「広島にホスピスを」から「広島をホスピスに」を目指しておられる本家先生の真摯な姿勢に非常に感銘を覚えました。
(研修会アンケートまとめ) 
問1 本日の講演の内容はいかがでしたか。(回答数72人)
1 大変参考になった 38人(53%)

2 参考になった 29人(40%)  3 ふつう 5人(7%)
4 あまり参考にならなかった 0人(0%)   5 全く参考にならなかった 0人(0%)   
意見・感想
がんに特化したチーム作りは課題でもあり、ケアマネジャーとしては責務かと思いました。
緩和ケアはチームケアであるということで、皆で同じようにサポートできる体制ができたらと思いました。
がんの方でも安心して在宅生活を続けていけるよう、地域のつながりの大切さを学ぶことができました。福祉関係者も知識の習得が不可欠だと思いました。
緩和ケアについての研修は初めて受けました。内容やかかわりについてお聞きしながら、聞き入ってしまいました。
末期がん患者が自宅で過ごす状況となった場合に、全く関わったことのないケアマネジャーがいるので、大変参考になったと思います。
他の研修でも痛みのコントロールはできると言われましたが、まだ難しいと感じておりましたが、今日の講演でコントロールできることを確信することができました。
チーム医療のかなめとして、ケアマネジャーがケアマネジメントする場合、在宅ではとても多くのヘルパーさんにかかわってもらわなくてはならず、情報がどのように共有できるか難しい。看護と介護の考え方の違いの調整なども・・・。個別なケースで悩んでいる時、ケアマネジャーとして調整していければ嬉しい。
チームを組み、その方がいかにその人らしく最期まで生きていけるか勉強になりました。
利用者にがん患者の方が多くなったと思います。本人、家族のケアに役立てていきたいと思います。
死と共に生きることの大切さを感じました。今後、1人の人を皆でチームワーク良く支えられるプランを立てていこうと思います。
在宅でも緩和ケアでのチーム作りをきちんとしていくため、現状をしっかりと聞くことができて良かったと思う。
緩和ケア開設所があちこちにあることがわかりました。今後の活動に役立てたいと思います。
実例を聞きたかった。
がんの在宅緩和ケア(ターミナルケア)を行いつつ、在宅で最期まで生活された方をこれまで何回も介護支援専門員として関わってまいりましたが、いつも考えてしまうのが、福祉職として何ができるか、何ができたかということです。今日の講義を聴きながら再び考えています。チームケアの中で果たす役割について、また考えてみたいと思っています。"自身が受けたい緩和ケア"の言葉が心に残りました。
在宅で過ごすということが少し身近に感じられた。自分のこととして考えていければ・・・と思いました。
問2 今後参加してみたいと思われる研修のテーマ
連携について(医師、行政など)
疼痛コントロールの具体的な実例、精神面をどうやって支援していくのかなど知りたいです。
緩和ケアの必要な利用者さんのプランの立て方等
緩和ケアをテーマで事例発表やもう少し詳しい研修をして欲しい。
認知症の方の在宅生活について
認知症及びその家族への対応
介護予防プランの立て方
コーチングについて
日常の業務について(ケアプランの作成までの流れ、必要なこと、ケアマネジャーのやるべき内容、余りに繁雑になりすぎて最近良くわからなくなっています。)
障害者ケアマネジメント
事例検討会