(研修会報告)
テーマ 『居宅介護支援事業者研修会平成18年度事例発表会』
日時 平成18年9月21日(木)13:00〜16:40
場所 広島国際会議場「ヒマワリ」
講演講師 財団法人 日本訪問看護振興財団常務理事  佐藤 美穂子氏
参加人数 300人
研修会報告
 開会式では、広島市域居宅介護支援事業者協議会 落久保裕之会長の挨拶の後、広島市社会局介護保険課の古川智之課長から挨拶がありました。
  続いて、日本訪問看護振興財団常務理事の佐藤美穂子先生により「医療ニーズを併せ持つ重度者の在宅生活支援」について、ご講演いただきました。平成18年4月の制度改正により、重度者の支援にどう向き合うかについて、医療の立場から訪問看護の視点をふまえながら、重度者のケアマネジメントを行う上でのポイント等についてお話をいただきました。重度者の在宅生活を支えるとは、医療面にどう対応するかの方向づけと家族にケアできるよう指導するなどの支援および介護環境を整備することがポイントになります。自立とは、したいことが叶えられ、暮らしが日々よかった、楽しかったと一つでもよいからみつけられること、役割が継続できることではないでしょうか。その実現のために重度者のケアマネジメントに望むことは、本人の関心に着目し、生活全体をみること、そして地域の社会資源の情報通となり、訪問看護等在宅医療との連携といった、「連携」の要となり、家族支援の視点をもち、信頼関係を築くこと。それらをふまえつつ、明るく、あせらず、あきらめず、ケアマネジメントを行っていただきたいとのことでした。
  その後、各区から計8名のケアマネジャーによる事例発表が行われました。重度者の支援についての連携の難しさ、大切さ、ケアマネジャーとしての専門性、役割とは…、また認知症の在宅支援についてなど、考えさせられ、共感できる事例となっていました。
  最後に、佐藤美穂子先生より、各事例発表に対して、一人ひとりの生活に真剣に向き合っているとケマネジャーの熱心さをねぎらい、総評をいただきました。
(研修会アンケートまとめ)
問1 本日の講演はいかがでしたか。
1 大変よかった 27名(23%) 2 よかった 77名(65%)
3 ふつう 11名(9%)   4 あまりよくなかった 0名(0%)
5 よくなかった 0名(0%)   無記入 3名(3%)
<講演について>意見抜粋
訪問看護の利用を進めていた際、家族より訪問介護との違いを聞かれました。訪問介護の方が(同じ方)長年入っており訪問看護導入に時間がかかりました。どう説明すればよかったかいまだに疑問です。家族がヘルパーに信頼が強く、あまり訪看のよさを伝えられなかった。もう一回よく考えようと思いました。
担当利用者様にもっと訪問看護を導入すれば病気に対する不安感等が軽減されると思います。介護保険を安易に利用しないようにと考え少しセーブしすぎているのかなと自分自身の反省としました。
訪問看護を必要とするケースも多くなっており連帯を深めていく上でとても参考になりました。
フットワーク、チームワーク、ネットワークの大切さがよくわかりました。CMとして連帯の大切さを感じています。リーダーシップの場面、チームリーダーの場面、見守りの場面上、専門性を発揮していきたいと思います。
医療依存度の高い方が多い中、特にケアマネに必要な視点や報酬面でのわかりやすい説明、資料が役立ちました。
中重度者の支援の難しさを実感しているところですが、今日はいくつかキーワードをいただきました。どうもありがとうございました。
問2 本日の事例発表はいかがでしたか。
1 大変よかった 36名(31%) 2 よかった 76名(64%)
3 ふつう 5名(4%)   4 あまりよくなかった 1名(1%)
5 よくなかった 0名(0%)    
<事例発表について>意見抜粋
総評がよかった。
発表内容が豊富でよかった。
皆さん発表方法がユニークで興味深く聞かせていただきました。
いろいろな事例を聞くことで、現在の支援に大変参考になった。
今抱えている困難事例と同じような事例発表があり、大変勉強になりました。
事例の利用者さん、どのケースも参考になりました。それぞれケアマネさん頑張っておられ勇気づけられました。
困難事例であるにも拘らず前向きにねばり強く接しておられ大変心強く感じました。
どのケアマネジャーさんも、何度も何度も利用者さん宅へ足を運び信頼関係をつくられていることがよくわかりました。
今回の事例発表では、日頃感じている事や困っている事に対し共感できる事が多い研修だったと思います。みんな頑張っているんだと勇気を頂きました。大変良かったと思います。
問3 今後、参加してみたいと思われる研修のテーマやその他ご意見等がありましたら、ご自由にお書きください。
事例発表
認知症に関するもの。
若年層の癌末期ケース
成年後見制度がまだわからない。
介護保険の今後
ターミナル患者の在宅での取り組み
各サービス事業所がCMに期待している事
ケアマネジャーの立場が厳しくなってきていると思います。よりよい自立支援のケアが出来るよう今後意欲的に取り組んでいく必要があります。多くの勉強の機を!
面接技術が自分にないと考えているので面接技術の向上の研修を希望します。
落久保先生がかかれた支援プランの本をテキストにし、プランのハウツーを教えて頂きたい。
佐藤美穂子講師の講義はとてもわかり易く聞き易く時間がもっと欲しかったと思いました。
質疑応答で学ぶことも多いのですが、やはり大人数の前で挙手をする事は皆様勇気がいりますね。もっとグループワーク的に質疑応答の出来る研修もあればいいと思いました。
相談援助法を具体的に! ロールプレイングを重点的にした講習を希望します。スーパービジョンの研修も受けたい。
ICF対応のアセスメントから計画作成方法を習得したいので、まずはICFとは「生活機能分類」ですが内容を詳しくわかりやすく講習させてほしい。
居宅ケアマネジャーとして1人の利用者さんに関わっていく中、業務として必要な書類を求められますが、その都度どうだったかな?と思うことが多々あり、不明確なところで仕事をしているような気がします。サービス利用される流れの中で文章にして改めてサービスの流れ、必要である物のきちんとしたものを出して頂きたい。口頭では言われますが文章にしてわかりやすく教えて頂きたいと思います。よくぶ厚い参考資料をもち何ページですと言われますが要約した物を文章で介護サービスの流れ(必要な事項、会議等)の研修をぜひともして頂ければと思います。介護予防についての流れは上のほうで研修があり、流れと文章で頂きましたので同じように介護給付のサービスの流れも改めて文章で頂きたいと思います。
厚生省の方との懇親会、座談会。現状を聞いて頂きたい。
医師との意見交換会、連帯について
ケアマネとして仕事を始めて半年ですので、どのようなテーマでも参加させて頂きたいと思います。