(総会・研修会報告)
「平成25年度総会及び研修会」
日時 平成25年6月27日(木)13:30〜16:10
場所 アステールプラザ「中ホール」
参加者 195名


1.総会
(1) 開会
(2) 落久保会長挨拶
(3) 平成24年度事業報告
(4) 議事
 第1号議案 平成24年度決算について
 第2号議案 平成25年度事業計画(案)について
 第3号議案 平成25年度予算(案)について
 第4号議案 役員改選について
(5) 閉会

2.自主勉強会
(1) 医療と介護の連携推進検討委員会報告
◆地域包括ケアシステムへの取組について
◆在宅医療と介護の連携(入退院時・日常的・他職種)について
◆全4回に渡る委員会活動について
◆各区での取組みについて
◆今後の取組みについて
  「多職種による模擬カンファレンス等の実施」
(2) 講演
 講演 「回復期リハビリの現状と在宅リハビリの活用法」
 講師 西広島リハビリテーション病院 院長 岡本 隆嗣 先生

1.日本の医療とリハビリ
日本の高齢化問題は、団塊世代が2025年頃に後期高齢期を迎えここで、医療・介護問題が起こる。これを想定した2012年・2018年の医療・介護の報酬改正が2025年問題を見据える大事なポイントになる。
現状、日本の医療施設は、急性期病棟が多い。急性期⇒回復期⇒生活期 の医療サイクルのスピードと共に、介護への移行スピードも速くなってくる。大きくは、急性期病床数と慢性期病床数の逆転と病床機能の分化と強化が必要で、地域包括ケアシステムによる在宅医療・介護の充実が重要な課題となっている。
地域包括ケアシステムにおける、国の指針の『介護・生活支援・住まい・医療・予防』で『リハビリ』が見得難いが、この指針の全てに直結している。
リハビリの変遷は、介護保険創設で回復期リハでの『寝たきり予防』が認知され、ここ数年さらに生活期(維持期)リハが推進されている。重要なのは、リハビリテーション『前置』⇒『高齢者の心身機能が低下したときに、まずリハビリテーションの適切な提供によって、その機能や日常生活における様々な活動の自立度をより高める。』

2.回復期リハビリ病棟の現状
回復期リハの適応疾患があり、疾患ごとに期間に定めがある。リハビリは3時間/日を限度としている。専門家として「時間をかけた患者は、やはり良くなる!」と考える。回復期リハの年齢層は高齢化傾向で、複数の合併症で、リハの大きな障壁となっている。また、回復期病棟の多くが、通所リハ・訪問リハ・訪問看護・居宅を併設している場合が多いのも特徴である。

3.生活期リハビリの課題
介護保険居宅系サービス種類別受給者割合は、デイ・ヘルパー・福祉用具貸与の利用率が高く、リハビリ系サービスの利用が少ない。問題の背景には、報酬単価の高さ・医師の指示書の手間・生活直結のサービス優先・レスパイトケア優先、があると考えられる。リハ専門職によるケアの重要性の認知により、適正なサービス導入が必要。適正な導入において、専門用語を噛み砕き、リハ専門職の生活を見据えた目標設定で改善していく必要がある。

4.回復期 - 生活期連携
介護支援専門員との共通言語の持ち方、医療⇒介護への移行システムの効果的な機能の構築が重要となる。
 
(アンケートまとめ)
(回答数 150人)
1.本日の研修会はいかがでしたか。
とても参考になった 91人(61%) 参考になった 58人(38%)
あまり参考にならなかった 1人(1%)   参考にならなかった 0人(0%)
2.研修会についての意見等(抜粋)
リハビリの必要性が理解できました。プランに積極的にリハビリを提案していきたい。
利用者様への関わり方を考えていきたいと思いました。
リハビリテーション前置リハ等、回復期のリハビリテーション、病院の診療報酬等について勉強させていただきました。
リハビリの早期の必要性を聞き、今後、在宅での計画に積極的に取り入れたいが、利用者負担が大きくなることでむずかしい。先生の話は参考になりました。
リハビリのことについて知識を深めることや参考になることが多かった。
リハ医から直接研修をうける事がなかったのでとてもわかりやすくて、知らない病院の様子もわかりよかった。医療と在宅の連携がスムーズにできるよう支援していきたいと強く思った。
脳卒中の患者にはリハビリは必要と思うが高齢者にどこまでリハビリが必要なのかいつも悩んでいます。
麻痺のメカニズムの理解ができた。
とてもよかった。在宅に興味のある熱意のある先生の講演だったのがよかったと思う。
訪問リハの事業所も少なく、訪問リハを使用することは少ないですが、利用者の状態回復のためには、必要だなと思いました。
生活期リハビリに携る専門家をふやしたい。
医療の第一線で働かれている方とは思えないほど、我々の目線に立って分かり易い講義でした。
言葉のデイケアや短時間のデイケア等取り組まれている事を知りませんでした。今後の参考になりました。
「リハ前置主義」よく理解できました。本人や家族にしっかりリハビリの必要性を訴えていきたい。リハの専門医の話はとても興味深く勉強になりました。ありがとうございました。麻痺と筋力低下は違うということを再認識できました。「足りないことにいかに気づくか」という言葉が心に残りました。
回復期のことがよくわかりました。先生の熱意を感じました。ケアマネジャー側までおりてきていただいていると感じました。敷居は低くなりつつある。
回復期リハビリの現状について理解できた。リハビリテーション前置とは、「リハビリテーションの適切な提供によってその機能や日常生活における様々な活動の自立度を強める。」には感動しました。
病気(脳梗塞)発症して6ヶ月以上経つと機能の改善は困難だと思っていたが、2年を過ぎてもリハビリをすれば機能回復が望める事がわかった。担当している利用者に提案してみようと思う。
医療との連携の必要性が高いが、なかなか現実的にむずかしさが多い。今後必要性がより高くなってくると思う。リハビリについても必要なことはわかっているが、送迎、訪問等のくくりがあり、レスパイト的に家族にはデイサービスの方が好まれることが多い。
回復期リハビリの重要性についてよくわかった。また、リハビリの用語や脳梗塞後のリハビリの仕方について少し話しが聞けてよかった。医療と連携するにあたっても最低限の知識はもちたいと思います。
通所リハビリテーションの利用について参考になりました。
リハビリの必要性等具体的にわかりやすい言葉で説明され参考になりました。
現在、リハビリを希望される利用者も増えてきましたし医師からも患者さんへリハビリを継続するようにと声かけされることも増えてきたように思います。しかし、事業所の数も不足しておりなかなか希望に添えることが困難なこともあります。また療法上の定着にも課題があるように思いました。「短期リハの家族参加でコミュニティを」持ち帰り検討したいと思います。
訪問介護ステーションから理学療法士に3回/W入っていただきだした。80代の男性が靴下をはく際に転ばなくなったり、筋肉の硬さがほぐれてきたと本人、ご家族ともに大変喜んでいる方がいます。感謝です。以前、病院のリハビリとデイケアを同時に使えないと通知がありデイケアを使って良いか迷う様になりました。何と何が同時に利用できないのか分かり易いと助かります。
岡本先生の話がとても分かりやすく、勉強になりました。リハビリの大切さは、日頃から感じていますが、言われたようにデイサービスと明確な違いが見える、デイケアがあればといつも思います。西リハさんのような病院が、近くにあればと思いました。
やはりリハビリの必要性はわかっていても事業所が少ないデイケアも人気のあるところは入れない。人気のある先生の空がない状態でどこにつなげていっていいのかいつも悩んでしまいます。
改めてリハビリの大切さを実感。高齢だからとあきらめる利用者さんにもう少し私自身が専門的な勉強をし、QOLを向上出来るよう支援して行きたい。
なぜ、リハ系のサービスの利用が少ないのかという事に対し、リハ職の方もその答えをよくご存知だなと感じた。研修内容にもあったように介護(ケア)というものは、生活全体を解決しないといけない点が多く、その中の一部だけを専門的(集中的)に行っただけでは何も解決しない。その点、福祉系のサービスの方が問題を解決する事が多く、その辺をもっと理解して頂けたら、リハ系サービスも依頼が多くなると思います。
退院後はとりあえず生活できるようにと考えます。リハビリが大事と思いながら、後回しになっていると感じました。
重度の人が在宅復帰したとき(特養等)の施設看護師の理解と受け入れる基盤が少なすぎて今でも利用者は難民のようになっている。ケアマネがどう努力しても家族のレスパイトが実況できない辛さがある。どうギャップを埋めたら良いのか?
3.今後、参加してみたい研修のテーマやその他意見等(抜粋)
リハビリ、認知症など
事業所での事例検討の進め方
若年性アルツハイマーについて。若い方が利用できそうなデイサービスや参加できるサロン等について研修をうけたい。
介護保険サービス事業所が行う契約についての説明と解説、方法についてなど
ターミナルケア、BPSD
居宅療養管理指導
市町村民税世帯非課税とか生計中心者とかまれに、こういった文言と格闘していますが、いつもはっきりとした理解ができない状態で是非とも勉強してみたいです。
これからの介護保険制度について
リハに対する適応期間、疾患について細かく知りたい。対象外になった人への対応方法。
医師との連携、情報共有の手段について
嚥下について
介護訴訟やそのリスクマネジメントについて。ケアマネジャーとして知っておくべき知識や状況があれば勉強したいです。法律の現場から介護士のトラブルなどに関わっている方からのお話が聞ければと思います。
精神疾患をお持ちの方の在宅での関わり方についてをお願いしたいと思います。
うつ病に関する講習
地域包括ケアとして在宅穏和ケアに取り組んでおられる北広島町のホリスティック診療所の東條環樹先生に講演して頂きたい。