(総会・研修会報告)
「平成29年度総会及び研修会」
日時 平成29年6月29日(木)13:30〜16:00
場所 JMSアステールプラザ「中ホール」
参加者 152名


1.総会
(1) 開会
(2) 落久保会長挨拶
(3) 平成28年度事業報告
(4) 議事
  第1号議案 平成28年度決算について
第2号議案 平成29年度事業計画(案)について
第3号議案 平成29年度予算(案)について
第4号議案 役員改選について
(5) 閉会

2.自主研修会
講演  「在宅医療・介護の連携における適切なケアマネジメント」
講師  国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
在宅連携医療部長 三浦 久幸 先生

「在宅医療・介護の連携における適切なケアマネジメント」と題して 三浦久幸氏に 下記の項目についてご講演頂いた。

1.介護保険制度に関する国の新しい動き
2.適切なケアマネジメント手法について
3.国立長寿医療研究センターの活動紹介。上記3項目の内容について


以下はその要旨である


1. 介護保険制度に関する国の新しい動きに対してご説明頂いた。
今後の介護保険を取り巻く状況として、75歳以上が急速に増加し世帯主が65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯認知症高齢者が増加していくと考えられる。
介護保険制度の持続可能性を維持していくため、保険者機能を強化し団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に重度な要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい生活を続けることが出来るよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される地域包括ケアシステムの構築を実現していくため、介護保険法等の一部を改正する法律が施行される。
その法律の改正を受けて、地域共生社会の実現に向けた具体的な取り組みを富山県と北海道での事例を元に説明された。

2. 適切なケアマネジメント手法について
介護支援専門員が作成する要介護者のケアプランの内容やマネジメントの差異を少なくする為、一定の条件下において想定される支援内容を整理し共有化を試みる為の具体的な手法について説明していただいた。
ケアマネジメントを標準化(共有化)することで、他職種間の情報を有効に活用でき効果的なアセスメントが可能となる。その結果不適切な支援は排除され、自立支援に資する適切なケアマネジメントが推進される。

3. 国立研究開発法人国立長寿医療研究センターによるアドバンスケアプランニングの活動について紹介して頂いた。
当センターでは緩和ケア委員会の下に、緩和(エンドオブライフ)ケアチームを設置し、患者の意思を尊重した人生の最終段階における医療の実現に向けた取り組みの中で、アドバンスケアプランニングを取り入れている。

 
(アンケートまとめ)
1.本日の研修会はいかがでしたか。(回答数135人)
とても参考になった 49人(37%) 参考になった 80人(59%)
あまり参考にならなかった 2人(1%)   参考にならなかった 1人(1%)
無記入 3人(2%)    
2.研修会についての意見等(抜粋)
終末ケアのあり方が医療関係の方々から聞くことが増え自身の考え方が変わってきている。個人の意志を聞く力を持っていきたい。
適切なケアマネジメントの概念であったので実際に活用できる内容で良かったです。
在宅で地域と共に安心した生活が送れる様、私たちCMも日頃から地域の皆さんと連携をとることが大切と思いました。
自立支援や自宅で最後まで過ごしていただける様なケアマネジメントがしっかりと行える様勉強していきたいと思いました。
再入院しないケアマネジメントというお話から、介護と医療の連携が必要だという意味がより理解できた。それぞれが別々になってしまっているがより連携を深めて利用者にとって本当に必要なマネジメントを生活面だけでなく医療的な視点をしっかり取り入れて考えていく必要があると思った。
ACPの大切さを感じた。
医療と介護の連携といつも言われているがDRの中にはいつまでも上から目線の人もいます。
先生方の取り組みにより敷居が低くなってお互いに連携がとりやすくなっていけば良いと思いました。終末期の本人の思いをしっかり聞き取る、どこで最後を迎えるかきちんと聞いてもらえると思うと嬉しいです。
地域包括ケアは高齢者だけのものではなく子供や働く世代にとっても住みなれた場所でそれぞれが抱えた問題に対してのものだと改めて思いました。それぞれの問題をどう包括して相談支援ができるかも考えながら業務をしていこうと思いました。
利用者の意思決定が難しくなった時の家族との関わりについて考える機会となった。
現在の日本の制度の状況が良くわかりました。ケアマネジメントの技術の見直しが必要だと思いました。
介護保険の今後の動き等再確認できて勉強になりました。事務所に持ち帰り、伝達させていただきます。
重症化しないように具体的な目標を考えて計画書を作成していく必要がある。ケアマネジャーに求められる力が多くある。
介護保険制度の動行を知れて良かったです。
現在サ高住のケアマネで、介護度が3.4.5の方を担当しています。食事摂取量の低下、誤嚥性肺炎をくり返す方の今後、終末期にどうするのかという選択の時、本人よりも家族がどう考えているのか優先されています。本来なら本人の意思が一番だと改めて確信しました。
今後の地域包括ケアについてのケアマネとしての考え方や必要性と医療での関わりについて詳しく説明して頂き参考になりました。
医療・介護の今後の方向性が聞け参考になりました。
アドバンスケアプランニングの話を聞いて、患者さんの思いに耳を傾けることの大切さを改めて実感した。
研修を受けて自分のケアマネジメントは医療的な観点やアセスメントが不十分であると実感しました。研修は分かりやすい説明で今後の仕事に活かしやすいなと思いました。
将来的にはケアプラン等の作成はAIが作るようになると思います。そんな事態にならないように明日から自立という事をもっとよく考えて頑張りたい。
終末期医療について本人の希望をしっかりと聞いていかなければいかないと思いました。
EOLの考え方はとても素晴らしいと思いました。
病気となり、終末期病院との関わり地域に帰って在宅に帰ってからの多職種の連携が今後必要だと思った。
今後の終末期について本人の意思決定により選択された医療のありかた。それを連携できる体制などケアマネとしての対応の重要性など勉強になりました。
連携を取る事の大切さは常々感じるがやはり現状は医療とは取りにくい現実を感じています。
ACPが早い段階で行われている(海外)について深く知りたいと思いました。
三浦先生の本日の内容は今担当している利用者のタイムリーな問題でした。ご家族、関係者共々しっかり検討、支援して行きたいと考えます。
ACPに対する興味がすごく沸きました。私も訪問看護と介護支援専門員の兼務なので終末の患者さんに出会った時にはご本人、ご家族へ本人の意思決定ができるように情報提供させて頂く事の重要性とご本人の精神的ダメージを考慮する必要を考えながら行う難しさを感じます。
サービス担当者会議に医師を呼ぶのは時間的に難しいと実感しています。ただ、FAXの活用で最近はご意見を頂くことができてやはり医師の助言など大変ありがたいと思います。退院時のカンファレンスもできるだけ開催してほしいと思います。医療・介護の連携は本人の生活を支える上で、必要不可欠なことなので歩み寄りたいと思っています。ACPも本人の終末期の希望をしっかり把握できる担当者にならなくてはと感じました。
ケアマネジメントの標準化と医療の連携、在宅でのACPについて考えさせられる講義でした。
適切なケアマネジメントについてはこれまでも耳にタコができる様聞かされ、その都度意識を改めてきた。しかし利用者本人や家族に受け入れられなければケアプランを実践することができません。提案した内容を拒否され、一方で自分たちの思いにかなう内容を要求されます。“ご用聞き“ケアマネにならないようにしたいが、これを実践するためにはもっと説得力のある事例・エビデンスを持って取り組む必要を感じます。
ACPを病院と在宅で実施するのは違いがあるように思う。
自分の作ったケアプランについていつもこれで良いのだろうかと思っています。アセスメント・モニタリング標準化・検討案が早く進み勉強させていただき、より良いケアプランの作成ができればよいと思います。
ACPの活動はとても興味がありました。地域では誰がリーダーになるかだと思います。なかなかケアマネには荷が重いと思います。NSかDRになるのかなとは思います。
アセスメント、モニタリング標準化について利用者や家族は担当ケアマネがベテランでも新人でも関係ない(選べない、居住依頼時に経験年数を問う余裕がない)担当ケアマネの経験や知識の差で在宅介護の質が変わる事のないようベテランの手法を明確化するということはとても良いことだと思いました。
ACPに関して理解することができ大変勉強になりました。ただ、介護支援専門員が行うには研修等が必要になってきます。
自立支援型ケアマネジメントへの移行をすすめていくこと、本人の希望を取り入れるお世話型ケアマネジメントの脱却を目指さなければならないと感じました。
今後、高齢化がさらに進み、認認介護も多くなると予想される。最後をどのように終えるかを確認していくこと、本人がどのような生活を望んでいるのかを話し合っていくことがとても大切。
3.今後、参加してみたい研修のテーマやその他意見等(抜粋)
在宅に必要な社会資源の作り方。
国籍事例者の検討
多職種連携モニタリングなどについて
ゴミ屋敷等、困難ケースの改善例の事例発表
看取りケア
障害福祉制度を詳しく知りたい
介護保険制度について(平成制度改革)
今後の介護保険改正の動向
療養病床ではACPの取り組みの必要性を感じています。DRの理解、高齢者に対する治療の在り方等勧めていただけると助かると思います。
地域包括ケア実践し、効果が出ている和光市の方の講演をぜひお願いしたい。
ACPについてもっと知りたいと思いました。
認知症や精神(とられもうそうのある方)に対する接し方の事例検討
30年改定後、ケアマネに求められるもの
安楽死、尊厳死の適用、是非について
在宅医は今後の方向性をどう思っているのか知りたい。主治医に相談しても熱意は感じられない。
対人コミュニケーション技術、クレーム対応
ケアマネジメントの標準化、良い事だとは思いますが、個々の背景や思いを忘れない様にしていただければと思いました。
地域共生社会について
実践例をもっと知りたい。
医療との連携方等例題等をまじえた連携プラン等具体的なもの。
終末期の精神的支援について
次期大改定についての研修会
総合事業についての経過
終末期の方についてのアセスメントかプランニングの思考など
地域包括ケアシステムは継続して研修をうけたい。