(研修会報告)
第2回居宅介護支援事業者研修会
日時 令和5年3月9日(木)16:00〜17:40
開催方法 ハイブリット開催
参加者 292名
講演 「今後の介護保険制度の動向〜介護支援専門員関係を中心に〜」
講師 厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課  
人材研修係長 諏訪林 智 氏
 
1.今後の介護保険を取り巻く状況
  • 超高齢社会になる 認知症高齢者が増えていく 独居と高齢者世帯が増えていく 高齢化率 広島県 13位
  • 2035年位まで75(85)歳以上人口が増えていく
  • 人口構造について、高齢者は増えていくが、生産年齢人口は減っていく
  • 介護保険の総費用 直近で11.6兆円
  • 2040年には、介護人材が、69万人必要
2.次期事業計画期間に向けた動き
 
(1) 政府としてどう動いていくか
  全世代型社会保障構築本部を設置
    今の社会保障制度を時代にマッチさせていくためには、根本的に考えていく必要がある
  • 全世代型社会保障の基本的考え方
    ・少子化 ・人口減少の流れを変える ・超高齢社会に備える ・地域の支え合いを強める
  • 全世代型社会保障の基本理念
    ・将来世代の安心を保障する 〜 負担を先送りせず、給付の不断の見直し
    ・能力に応じて、全世代が支えあう 
    ・個人の幸福とともに、社会全体を幸福にする 〜 健康寿命の延伸
    ・制度を支える人材やサービス提供体制を重視する 〜 人材確保、生産性向上
    ・社会保障を含むDXに積極的に取り組む
(全世代型社会保障を)もう少し個別に見ていくと
  • 医療・介護制度の改革
    ・基本的方向 全ての世代で、増加する医療費を支える仕組みを作っていく
    ・取り組むべき課題 
    @医療保険制度 後期高齢者医療制度の保険料負担の在り方の見直し
    A医療提供体制 かかりつけ医
    B介護 地域包括ケアシステムの深化・推進、生産性の向上
    ・今後 医療介護連携、更なる医療制度改革、給付と負担(制度の持続)
  • 地域共生社会の実現
    ・基本的方向
    ・家族のつながりや地縁も希薄化する中で、独居高齢者の住まいの確保といったことを考えていく必要性がある
    ・地域社会の支えあい機能の低下 → 住民同士が助け合う
(2) 医療及び介護を総合的に確保するための方針
  • 総合確保方針
    意義:2025年に向け、切れ目のない医療及び介護の提供体制を構築していく
  • 見直し案
    意義:生産年齢人口の減少が大きなキーワード
    基本的方向性:地域完結型 デジタル化・データヘルス化 地域共生社会の実現
  • ポスト2025
    バックキャストで具体的に改革を進めていく(将来の姿・あり方というものを逆算して、現実的に歩みを進めていく)
(3) 介護保険制度の見直しに関する意見
 

@地域包括ケアシステムの深化・推進
〇在宅サービスの基盤整備
 ・複合型サービス類型の新設を検討
〇介護情報利活用の推進 一元的に基盤を整備
 ・LIFE 居宅介護支援 次の改定で、なにかしら導入するのか考えないといけない
〇総合事業の多様なサービスの在り方
〇認知症施策の推進
〇地域包括支援センターの体制整備
 ・介護予防支援の指定対象を居宅介護支援事業所に拡大
さらに

 

生活を支える介護サービス等の基盤の整備
〇ケアマネジメントの質の向上
 ・ケアマネジメントの質の向上及び人材確保の観点から、包括的な方策を検討する必要がある
 具体的には、

 

・適切なケアマネジメント手法の更なる定着、研修を受講しやすい環境を整備、法定外研修・OJTの活用、ケアプラン情報の利活用
・ICTの活用状況などを踏まえて更なる業務効率化を進めていく

 

A介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進
・ワンストップ窓口の設置

 

B給付と負担
(1)1号保険料負担の在り方
(2)現役並み所得、一定以上所得の判断基準
(3)補足給付に関する給付の在り方
(4)多床室の室料負担
(5)ケアマネジメントに関する給付の在り方 制度創設時10割給付
   第10期計画期間の開始までの間に結論を出す
(6)軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方
(7)被保険者範囲・受給者範囲

   
(4) 9期介護保険事業(支援)計画基本指針(3年毎)
 

基本指針のポイント
基本的考え方 ・生産年齢人口が急減 ・都市部と地方で高齢化の進みが大きく異なる

   
(5) その他
 

@生産性向上に向けた取り組み(文章負担軽減)
電子申請届出システム
ケアプランデータ連携システムについて
・時間削減 ・費用削減 ・事業所、従業者の負担軽減 ・データ標準化

 

Aハラスメント対策

3.介護支援専門員関連の施策動向等
  • 法定研修カリキュラムの見直し
    ・カリキュラムの見直し(令和6年4月から)のポイント
    ・適切なケアマネジメント手法の考え方を科目類型として追加する
    ・認知症や終末期の意思決定 職業倫理についての視点を強化
    ・地域共生社会の実現に向けて、介護保険以外の領域も含めて、しっかり抑えていく必要がある
    ・カリキュラムの時間数は変えず、知識の獲得に重きを置いた内容
    ・適切なケアマネジメント手法
    ・課題: アプローチ方法に差異が生じている。属人的な、経験知に基づくケアプラン
      ・目的: 差異を小さくするための手法の策定と普及 → 支援内容の平準化  エビデンスベース → 根拠の明確な支援内容を示し、多職種と共有を図る
  • 仕事と介護の両立支援 家族の支援(介護離職を防ぐ)がしっかりとできるよう
  • ヤングケアラーの支援
    ・ヤングケアラーが、介護力と見なされている問題
    ケアマネ 関係機関につないでいく役割が求められる
  • 研修のオンライン化
  • 災害対策への協力・連携
  • 感染症や災害への対応
    ・感染症対策 ・業務継続 ・災害への地域との連携

  • 今後の課題【居宅介護支援関係】
    ・適切なケアマネジメント 福祉的視点の手法等を検討していくべき
    ・逓減性の緩和、公正中立の確保の効果検証
    ・CHASE・VISIT・LIFEの在り方
    ・テクノロジーの活用
    ・福祉用具販売 ケアマネに対する報酬(←貸与のみのプラン?)

  • これからの介護支援専門員に求められるもの
    ・ケアマネジメントの質の向上のための取り組み
    ・限られた人材で効果的・効率的なケアマネジメントを行うための方策
    ・地域における介護支援専門員の役割 地域の中心となって
(アンケートまとめ)
1.本日の研修会の内容はいかがでしたか。(回答数208人)
とても参考になった 62人(29.8%) 参考になった 125人(60.1%)
ふつう 21人(10.1%)   あまり参考にならなかった 0人(0.0%)
参考にならなかった 0人(0.0%)    
意見等(抜粋)
  • 説明についていくのに精一杯でしたが、質問の時間なども作っていただいており、参考になりました。ありがとうございました。
  • 資料が多くて、流れも早かったので、少しわかりにくかったが参考になりました。
  • 内容量が多く、資料をもち帰りじっくり読みなおしたい。
  • 厚労省の方のお話を聞ける機会は少ないと思うので、今日は現場で聞けたこと、見直しについてもある程度、具体的な話を聞く事ができたので良かった。
  • 次期改定のことが詳しくわかりました。
  • 法人の中でもケアマネ業務につきたい人がいないので大変です。
  • 厚生労働省が協議されていることが理解できました。
  • 人材不足は感じております。ケアマネジャーになろうという人が少なく、ケアマネジャーは大変な仕事と思われていることが多いと思います。他の事業所の介護職よりも報酬で優遇されていると言われましたが、実感がありません。人材育成するにも働きやすさ等の環境整備が必要ではないかと思います。ペーパーレスでデーター化等年齢的についていけないことも出ています。若い人が魅力を感じる仕事になると良いと思います。
2.ハイブリッド形式による研修会はいかがでしたか。(回答数206人)
とても参考になった 76人(36.9%) 参考になった 109人(52.9%)
ふつう 20人(9.7%)   あまり参考にならなかった 1人(0.5%)
参考にならなかった 0人(0.0%)    
意見等(抜粋)
  • 会場に人が密集する事が無く、安心して聞く事ができました。
  • オンラインでは集中できないので、来場して良かった。
  • コロナ患者が減っているとはいえ、密でない環境は安心感がある。
  • 業務の都合もあり、選べたので良かった。
3.今後、参加してみたい研修のテーマやその他意見等(抜粋)
  • 2号被保険者が年齢相応の介護サービスを利用できるためのケアマネジメント
  • BCP作成について
  • ヤングケアラーに関する勉強会
  • 適切なケアマネジメント手法に関する研修
  • F-SOAIP(生活支援記録法)、国際医療福祉大学の小嶋特任教授が開発した医療、介護の先進的な記録法です。
  • 共生社会について
  • 令和6年度介護報酬改定について
  • 自己決定支援について
  • 高額医療高額介護合算制度等の利用者負担の軽減制度についての研修
  • ケアプランデーター連携システムについて
  • ケアマネジメントと地域
  • 医療や社会資源などが未熟なので、また参加させて頂きたいと思っております。
  • 仕事と介護の両立支援について
  • スーパーバイザー
  • 成年後見制度について
  • 終活について・年金受給の動向
  • 全世代型の福祉について
  • R6年の同時改定での具体的内容(契約書や重説を変更しなければならないような変更等)
  • 業務継続計画についての取り組みについて
  • 介護保険制度の見直しによって、何がどう変わるのか具体的にわかりやすく教えて欲しいです。
  • ケアマネを支援してくれる組織は? この問題なら、この団体等。
  • 地域における介護支援専門員の役割
  • 認知症の利用者さんに対するACPについて・認知症状の進んでいる人との向き合い方
  • 認知症や障害などの研修を聞きたい。・高齢者に使える効果的な医療制度
  • ケアマネジャーや介護職の人材確保について学びたい。
  • zoom等活用の仕方(Googleの使い方)
  • 生産年齢人口の減少があり、ケアマネジャーも高齢化している。当事業所も平均年齢が60歳を過ぎており、今後いつまで継続できるのかわからない。介護支援専門員の仕事は地域において必要な役割を持っているが、やってみたい仕事、魅力を感じてもらえないのかもしれない。どうしたら、してみたいと思ってもらえるのかと思う。
  • 介護保険制度の動向を知ることができた。ケアプランデーター連携システムが開発され日常的に円滑に稼働できるようになる事を期待する。